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電気療法

病気やケガなどによる体の機能低下に対して、動作の回復や痛みの軽減を図る治療法として理学療法があります. 電気療法は理学療法の一つで、人体に電気刺激を与える治療法です.人間の細胞は電気を帯びており、外部からの電気的な刺激に対して敏感に反応する性質があります.この性質を利用して、外部から電気を流して、痛みを和らげるのが電気療法です.
筋肉が疲労して血流が滞ると、全身に酸素や栄養を届けられず、新陳代謝が滞り、細胞の生まれ変わりが遅れます。また老廃物や疲労物質が体内に留まり、体の不調を招きます.腰痛や肩こりも筋肉の疲労による血行不良が原因の一つです.
電気療法は電気の刺激で筋肉の疲労に伴うコリをほぐし、血流を促進して、痛みを緩和します.
同時に患部を暖める温熱療法も併用することにより、血流の促進がより期待できます.

1. TEMS(低周波療法)
痛みの部分やその周囲、そこから痛みの信号を中枢に伝える知覚神経に電極を貼り、痛みを感じない程度の電流を流す治療法です。
痛みの伝達をブロックしたり、筋肉の緊張をほぐすことで、痛みを軽減します。
筋肉が疲労して血流が低下すると、痛みの原因となる発痛物質が放出されて痛みが起こります。

低周波療法では、周波数1,200Hz以下の電流の刺激によって、筋肉に収縮させたり緩めたりするポンプ作用が働き、血液の循環が改善します。これにより痛みのある部分の血行が促進され、筋肉のコリがほぐれ、発痛物質が血流に流れることで、痛みの軽減につながります。また電気刺激によって痛みの伝達を抑制する効果も期待できます。
さらに低周波療法の周波数に応じて脳脊髄液内への様々な鎮痛物質が誘発されることが報告されており、広く鎮痛効果が期待できます。

2. マイクロカレント療法(微弱電流療法)
人体に流れている電流を「生体電流」と言い、この生体電流によく似た微弱な電流を使って筋肉に電気刺激を与える治療法です。
人間の細胞は傷ついた時に「損傷電流」という弱い電流を流して、傷ついた組織を修復します。マイクロカレント療法はその損傷電流とよく似た弱い電流を人工的に流すことで、傷ついた組織の修復を早めることが可能です。
マイクロカレント療法は、肉離れ、打撲、捻挫、骨折などのケガの回復、痛みの軽減が期待できます。またケガや痛みとは言えないほどの違和感にも利用できます。

マイクロカレントで使用される電流は、低周波療法に用いる電流のわずか100万分の1程度の強さです。
低周波が皮膚にピリピリした刺激があるのに対し、マイクロカレントは極めて弱い電流のためほとんど刺激を感じません。そのため電気の刺激が苦手な人でも使用できます。
また刺激感のある低周波療法は、炎症を起こしている部位には使えませんが、ほとんど刺激がないマイクロカレント療法は使用できます。
なおマイクロカレント治療は低周波治療との併用も可能です。痛みや筋肉疲労を緩和させる低周波と、その回復過程を早めるマイクロカレントの2つを使い分けることで、効果がより期待できる場合があります。

3. EMS(神経筋電気刺激療法)
主に筋肉や運動神経への電気刺激により筋収縮を起こすことで、筋力増強や筋委縮の予防、痙縮抑制などを目的に行われる治療法です。
医療の現場では、脳血管疾患などで自分の意志では運動するのが困難な人たちのリハビリ治療にも用いられています。

当院には2種類の電気療法器があります

左:複合電気刺激治療器 アスピア 低周波療法に加えてマイクロカレント療法も可能です
右:低周波・干渉波組合せ治療器 セダンテ ネオ 複数の周波数を組み合わせた干渉波による治療が可能です(注:干渉波での治療を行う場合、痛みの部位ではなく、その周辺を取り囲むように治療することがあります)